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code-name-sf’s diary

ASKAの20数年来のファンです。

「700番 第二巻/第三巻」を読んで

 ASKA「700番 第二巻/第三巻」(扶桑社)を読んだ。私は一度読んだ本をあまり読み返さない性分だが、この本は違った。ASKAの20数年来のファンである。2014年にASKAが逮捕されてから、空白になっていたなにかを埋めるように、何度も読み返した。

 

 「なぜお茶から覚醒剤成分が検出されたのか」

 

 世間の耳目はこの点に集まった。

 

 だが、ファンである私にとって、気になる点はそれだけでない。表舞台から消えたASKAが、どのよう過ごしていたか、 気になる点は多々あった。

 

 ASKAは14年5月に覚せい剤取締法違反で逮捕され 、懲役3年、執行猶予4年の判決を受けた。16年1月、 約9万字の長文ブログを突然アップ。その内容は主に盗聴、盗撮被害を訴えたものだった。しかしASKAの周囲はこれを覚醒剤の後遺症と疑い、ASKAを強制入院させる。その後、退院していたASKAは7月、再びブログを掲載する。それからは精力的に近況を報告。アルバムを発売すると発表した矢先の11月下旬、 尿検査で覚醒剤の陽性反応が出たとして、覚せい剤取締法違反の容疑で再び逮捕される。しかし、検察は尿がASKA本人のものと断定できないとし不起訴にした。ASKAが尿の替わりに茶を入れたということから、不起訴でも世間は疑惑の目を向けつづけた。

 

 本書はタイトルの第二巻、 三巻という通り、2編からなる。 二巻は16年1月の強制入院から退院するまでの期間、自身の思いやエピソード、様々な出会いを、散文詩を交えながら記している。 第三巻は、警視庁の逮捕リークにより前代未聞の逮捕劇となった2度目の逮捕から不起訴に至るまでの詳細を明かしている。自宅での尿検査や逮捕直前の様子から刑事や検事との取り調べなど、圧倒的な臨場感で描かれている。 


  最大の謎であったお茶から覚醒剤反応が出た理由については、自身の見解を述べつつも、謎の部分もあるとし、全てを解き明かしていない。

 私もこの点を謎に思う。いくつかの推測は立てられるが、市井の人にとってそれを証明することなど不可能だろう。ただ、この件は検察が公判を維持できないと判断し不起訴にしたものだ。それが事実であり、その事実だけで十分である。

 

 本書には、盗聴、盗撮や精神病棟の現状、覚醒剤の影響、マスコミ報道や警察の情報操作など、現代社会の抱える闇がいくつも出てくる。罪を犯したことにより、体験したこと、感じたことなどを独自の視点で描いているが、様々な視点をめぐらせ深く掘り下げれば、これはかなりの衝撃作といえる。